帯広競馬場とは?世界唯一のばんえい競馬|コース・馬場水分・2026年度日程

公開日:2022年5月7日 更新日:2026年8月8日 執筆者:ハマリ タカヤシ
鉄のそりを曳いて砂の障害を登るばんえい馬と、そりの上に立つ騎手のイメージ

帯広競馬場は、世界でただ一つ「ばんえい競馬」が行われている競馬場です。北海道帯広市にあり、体重1トン前後のばん馬が鉄のそりを曳いて直線200メートルを進みます。コーナーはなく、スピードよりも「重いものを引いて坂を越える力」を競う、他のどの競馬とも似ていない競技です。

この記事では、帯広競馬場の基本情報、ばんえい特有のコースと勝負どころ、レースの見方を左右する馬場水分、そして2026年度の開催日程と主な重賞までをまとめます。

帯広競馬場の基本情報

所在地 北海道帯広市西13条南9丁目
主催 帯広市(2007年度から単独開催)
施設所有 十勝農業協同組合連合会
開設 1932年8月8日
コース 直線200mのセパレートコース(フルゲート10頭)
入場料 無料
駐車場 400台
開催日 おおむね土・日・月(ほぼ通年)
主な重賞 ばんえい記念・帯広記念・ばんえいグランプリ ほか

ばんえい競馬はかつて旭川・岩見沢・北見・帯広の4市が持ち回りで開催していましたが、売上の落ち込みから3市が2006年度限りで撤退。存続の危機を経て、2007年度からは帯広市の単独開催として続いています。いま帯広でしか見られないのは、そういう経緯があってのことです。なお競馬場の施設そのものは十勝農業協同組合連合会が所有しており、主催者と施設所有者が別という珍しい形になっています。

入場は無料です。古い情報では入場料100円と書かれていることがありますが、現在は公式サイトのアクセス案内でも無料と明記されています。

直線200メートルと、2つの障害

直線コースに低い第1障害と、より高く急な第2障害が並ぶ断面のイメージ図
ばんえいのコース断面のイメージ(高さの比率は実際の縮尺どおりではありません)。勝負は奥の第2障害で決まる

ばんえいのコースは、他の競馬場のような楕円形ではありません。まっすぐ200メートル、しかも隣の馬と接触しないよう1頭ずつレーンが仕切られたセパレートコースです。スタートからゴールまで全10頭が横並びで進むので、観客はスタンドから最後まで自分の買った馬を目で追い続けられます。

コース上には砂を盛った障害が2つあります。手前の第1障害は高さ1.0メートル、勝負を分ける第2障害は高さ1.6メートル。第2障害をどれだけ早く、どれだけ脚を残して越えられるかが結果を大きく左右します。

項目 内容
形状 直線200m・セパレートコース
出走頭数 最大10頭
第1障害 高さ1.0m
第2障害 高さ1.6m
そりの重量 およそ500〜1,000kg(レースの条件による)

ばんえいには、初めて見る人がまず驚くルールが2つあります。1つは、レースの途中で騎手があえて馬を止めてよいこと。第2障害の手前で息を入れ、呼吸が整ってから一気に登らせるのが定石で、この「止める判断」が騎手の腕の見せどころになります。もう1つはゴールの判定で、馬の鼻先ではなくそりの後端がゴールラインを通過した瞬間に着順が決まります。先頭で登り切った馬が、そりを引ききれずに最後で差される——ばんえいで決着がもつれるのは、このルールがあるからです。

馬場水分がレースを動かす

湿った砂の上をそりが滑る様子と、乾いた砂にそりが沈み込む様子を左右で比べたイメージ
水分が多いほどそりは滑り、乾くほど沈む。ばんえいでは「濡れている=軽い馬場」になる

ばんえいを読むうえで、コース形状と同じくらい大事なのが馬場の状態です。芝やダートの「良・稍重・重・不良」にあたるものが、ばんえいでは馬場水分という数値で発表されます。0.0〜9.9%の範囲で示され、この数字の意味が他の競馬とは逆になる点に注意が必要です。

水分が多い馬場は砂が締まってそりがよく滑るため、時計が速くなります。これを「軽い馬場」と呼びます。反対に日照りが続いて乾くと砂が緩んでそりが沈み込み、進まなくなる。これが「重い馬場」です。雨で走りにくくなる普通の競馬とは、感覚が正反対だと考えてください。

目安として水分が1%を下回るとかなり乾いた状態、3〜4%を超えてくると時計の出やすい状態とされます。乾いてパワーが要る馬場では地力に勝る実績馬が浮上しやすく、滑る軽い馬場では先手を取って押し切るタイプが残りやすい——同じメンバーでも、当日の馬場水分ひとつで力関係の見え方が変わります。予想を組み立てるなら、出走表より先に当日の馬場水分を確認するのが順序です。

2026年度の主な重賞

2026年度(令和8年度)は年間27の重賞が予定されています。そのなかでも規模の大きい3レースは次のとおりです。

レース 開催日
第38回 ばんえいグランプリ 2026年8月16日(日)
第49回 帯広記念 2027年1月2日(土)
第59回 ばんえい記念 2027年3月21日(日)

シーズンを締めくくるばんえい記念が、ばんえい競馬の最高峰です。1968年に農林大臣賞典として創設され、1998年に現在の名称へ。負担重量は定量1,000キロ(4・5歳は990キロ、牝馬は20キロ減)で、これはばんえいのなかでも別格の重さです。最高重量が1,000キロになった1977年以降にこのレースを勝った牝馬は、1979年・1981年・1982年のキヨヒメただ1頭しかいません。「最強馬を決める」と言われるのは、数字のうえでもそのとおりということです。

開催日程と発走時刻

2026年度の開催は2026年4月17日(金)から2027年3月21日(日)まで、25開催149日間。開催日はおおむね土・日・月曜(祝日の月曜を含む)で、ほぼ通年でレースが行われています。

帯広の特徴は、日程の大半が夜のレースだということです。149日の内訳は次のとおりで、夏場のナイターが中心になります。

区分 最終レース発走 日数
ナイター開催 20:30ごろ 95日
準ナイター開催 20:00ごろ 30日
薄暮開催 19:00ごろ 24日

1日12レース制で、第1レースの発走は午後2時台が中心です。開門時刻や発走時刻は開催日ごとに変わり、重賞の日やイベント実施日には変更されることもあるため、実際の時刻は公式サイトの開催日程で確認してください。日程・重賞とも年度途中に変更される場合があると公式に案内されています。

帯広競馬場へのアクセス

手段 所要時間の目安
徒歩 JR帯広駅から約20分
タクシー 帯広駅南口から約7分
バス 帯広駅バスターミナル12番乗り場から十勝バス、「帯広競馬場前」下車
芽室帯広IC・音更帯広ICから各約15分
飛行機 とかち帯広空港から約40分

ナイター開催日には帯広駅行きの無料シャトルバスが運行されてきましたが、公式のアクセス案内では当面のあいだ運休とされています。夜遅くに駅へ戻る予定なら、出発前に公式サイトで運行状況を確認しておくのが安全です。開催日は隣接する帯広厚生病院の駐車場を最大6時間無料で利用できる案内も出ています。

場内には「ふれあい動物園」やレストラン、隣接する観光施設「とかちむら」があり、レースを見ない同行者がいても時間をつぶせます。入場無料なので、十勝を旅行するついでに立ち寄る先としても成立する競馬場です。

世界の競馬場をもっと知る

帯広はばんえいという特殊な例ですが、コースの形と勝負どころの関係は、どの競馬場を読むときも同じ考え方が使えます。ほかの競馬場については 世界の競馬ガイド|主要開催国・有名競馬場・国際G1レース にまとめています。日本のG1の日程は 過去のG1レース一覧 から確認できます。

なお、競馬やスポーツベッティングを利用できるかどうかは、お住まいの国・地域の法律によって決まります。ご利用の前にご自身の居住地の規制をご確認ください。

よくある質問

ばんえい競馬は帯広競馬場でしか行われていないのですか?

はい。ばんえい競馬は世界でも帯広競馬場だけで行われています。かつては旭川・岩見沢・北見・帯広の4市が持ち回りで開催していましたが、3市が2006年度限りで撤退し、2007年度からは帯広市の単独開催として続いています。

帯広競馬場のコースはどうなっていますか?

楕円形ではなく、直線200メートルのセパレートコースです。1頭ずつレーンが仕切られ、最大10頭が横並びで進みます。コース上には砂を盛った障害が2つあり、手前の第1障害が高さ1.0メートル、勝負どころの第2障害が高さ1.6メートルです。

ばんえいの「馬場水分」とは何ですか?

芝やダートの「良・稍重・重・不良」にあたる馬場状態を、0.0〜9.9%の数値で示したものです。水分が多いほどそりが滑って時計が速くなり、これを「軽い馬場」と呼びます。乾くとそりが沈んで進まなくなり「重い馬場」になります。雨で走りにくくなる普通の競馬とは感覚が逆になる点に注意してください。

ばんえい競馬のゴールはどこで決まりますか?

馬の鼻先ではなく、そりの後端がゴールラインを通過した瞬間に着順が決まります。先頭で障害を登り切った馬がそりを引ききれず、最後で差されることがあるのはこのルールのためです。

帯広競馬場の入場料はいくらですか?

無料です。古い情報では100円と書かれていることがありますが、現在は公式サイトのアクセス案内でも入場無料と明記されています。駐車場は400台分あります。

2026年度のばんえい競馬はいつ開催されますか?

2026年4月17日から2027年3月21日まで、25開催149日間の日程です。開催日はおおむね土・日・月曜で、149日のうち95日がナイター開催(最終レース20時30分ごろ)です。最高峰のばんえい記念は2027年3月21日に予定されています。日程は年度途中に変更される場合があるため、公式サイトでの確認をおすすめします。