競艇

ボートレースメモリアル(モーターボート記念)とは?2026年の日程・出場資格と桐生水面の読み方

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ナイター照明の下、山あいの淡水水面を走る6艇(ボートレースメモリアル)のイメージ

ボートレースメモリアルは、正式名称をモーターボート記念競走といいます。第1回が行われたのは1955年、大村。競艇という競技そのものの発祥を記念して始まった大会で、SGのなかでも古い部類に入ります。

2026年の第72回は8月25日から30日まで、ボートレース桐生でナイター開催されます。そしてこのレースを理解するうえで一番大事なのは、出場資格が賞金でも勝率でもファン投票でもなく、全国24のボートレース場がそれぞれ選手を推薦して決まるという点です。競艇のSGは大会ごとに選考の物差しがまったく違いますが、メモリアルはそのなかでも特に変わった仕組みを持っています。

2026年(第72回)の日程と開催場

第72回ボートレースメモリアル(2026年)
開催期間 2026年8月25日〜30日/6日間
開催場 ボートレース桐生(群馬県みどり市)/ナイター開催
グレード SG(スペシャルグレード)
正式名称 モーターボート記念競走
優勝賞金 4,200万円
出場 48名(+補欠10名)
出場選手発表 2026年6月1日

翌2027年の第73回は8月24日から29日まで、ボートレース若松でナイター開催です。こちらはBOAT RACEオフィシャルウェブサイトが2026年7月9日に公告した令和9年度の開催地決定によります。メモリアルも開催場は毎年持ち回りで、水面が変われば有利になる選手のタイプも変わります。

出場資格は「24場からの推薦」— これだけ仕組みが違う

第1ターンマークで外のコースが内側をまくり切るイメージ(桐生はインが最も信用しにくい水面)

メモリアルの選考は、他のSGとまったく違う発想でできています。原則として全国24のボートレース場がそれぞれ2名ずつを推薦する——これが出場枠の土台です。開催場である桐生も含めて、全場に枠が配られます。

そのうえで優先出場枠があります。第72回の場合は次の4種類でした。

  • 前年のボートレースメモリアル優勝者
  • 第40回グランプリの優勝戦に出場した6人
  • 第31回オーシャンカップの優勝者(他の枠で選ばれていない場合)
  • 開催場である桐生の推薦選手

ここに細かい調整が入ります。ある場の地元県に優先出場の資格を持つ選手がいる場合、その選手がその場の推薦枠として扱われます。結果として、どの場からも最低1人は選手が出る形になります。

推薦枠以外の選手には成績条件がつきます。A1級であること、そして前年6月1日から当年5月31日までに160走以上を走っていることです。第72回の出場48名は、この期間の勝率がおよそ6.45〜8.02、出走回数が163〜306走という範囲に収まっていました。

当サイトで解説している5つのSGの選考基準を並べると、競艇のSGがそれぞれ何を測ろうとしているのかが見えてきます。

SGごとの出場資格の違い
大会 選考の物差し 問われるもの
ボートレースメモリアル 全国24場からの推薦(各2名が原則) 各水面での評価・地元からの信頼
ボートレースオールスター ファン投票の得票数 ファンからの人気・注目度
グランプリ その年の獲得賞金ランキング上位18人 1年で稼いだ額
オーシャンカップ G1・G2の優勝戦での着順点の上位者 大舞台の決勝に残る再現性
ボートレースダービー 1年間(8月〜翌7月)の勝率上位者 すべてのレースを通した勝ち切る力

賞金・着順点・勝率・ファン投票は、いずれも全国を1本のランキングに並べるやり方です。メモリアルだけが違います。24の水面ごとに枠が切られているので、全国ランキングでは少し足りない選手でも、その場で評価されていれば出てくる。逆に、全国上位の選手が推薦の巡り合わせで漏れることもあります。出走メンバーが全国の縮図になりやすい、地域色の強いSGだと考えておくといいでしょう。

なお、メモリアルはGRANDE5(グランデファイブ)の一角です。クラシック・オールスター・メモリアル・ダービー・グランプリの5大会がこれにあたり、優勝戦3着以内の選手に金銀銅のメダルが贈られます。5つすべてを制覇するとグランドスラムとして表彰される、競艇でもっとも格の重い5競走です。

桐生の水面をどう読むか — インが最も信用できない水面

山に囲まれた標高の高い淡水の競走水面と、風で波立った水面のイメージ(ボートレース桐生)

ボートレース桐生は標高128メートル、全国24場でもっとも高いところにある競走水面です。阿左美沼の一角を使った淡水のプールで、BOAT RACE公式のレース場データでも水質は淡水、干満差はなしとなっています。1997年9月に全国で初めてナイターレースを始めた場としても知られています。

そして予想の観点で見ると、桐生はこれまで当サイトで扱ったSG開催場のなかで、インコースがもっとも信用できない水面です。公式のボートレース場データからコース別1着率を引きます。

ボートレース桐生 コース別1着率(BOAT RACE公式)
コース 直近3か月(2026/04/01〜06/30) 夏季(2025/06/01〜08/31)
1コース 51.9% 48.1%
2コース 11.8%
3コース 13.0%
4コース 12.3%
5コース 9.1%
6コース 2.4%

メモリアルは8月開催なので、参照すべきは夏季の48.1%です。この数字の意味は明確で、1コースに入った艇は半分以上のレースで負けているということになります。

もうひとつ効いてくるのが、2コースより外のコースの並びです。直近3か月のデータでは3コース13.0%、4コース12.3%が、2コースの11.8%を上回っています。インが飛んだときに差し込む2コースより、まくりに行ける3コース・4コースのほうが勝っている、という水面です。

一方で、1コースが勝つときの決まり手は97.3%が「逃げ」。つまり桐生の1号艇は「逃げ切るか、飛ぶか」のどちらかで、粘って2着3着に残るパターンが少ない。舟券としては、1号艇を軸にして手広く流すよりも、頭が1号艇のときと外に替わったときで買い目を分けて考えるほうが理にかないます。

進入は素直です。公式の枠番別コース取得率では1枠が1コースに入る確率が96.9%、2枠が2コースに入る確率も87.6%で、前づけで大きく入れ替わる水面ではありません。枠番はほぼそのままコースになるが、そのコース自体が信用できない——これが桐生の性格です。

理由としてよく挙げられるのが標高です。標高が高い=気圧が低いためモーターの回転が上がりにくく、パワーが出しにくいと言われます。加えて冬から春にかけては赤城おろしと呼ばれる強い追い風が吹き、水面がざわつきます。8月のメモリアルは赤城おろしの季節ではありませんが、夏季の1コース1着率が年間でもっとも低い48.1%であることは、データが示すとおりです。

他のSG開催場と比べる

当サイトで解説しているSG開催場を、それぞれの大会が実際に行われる季節の数値で並べます。

SG開催場の1コース1着率(開催季節ベース・BOAT RACE公式)
開催場 大会(開催時期) 1コース1着率
大村(冬季) グランプリ(12月) 65.8%
尼崎(秋季) ボートレースダービー(10〜11月) 61.1%
大村(春季) ボートレースオールスター(5月) 59.0%
浜名湖(春季) 2026年オールスター(5月) 55.2%
びわこ(夏季) オーシャンカップ(7〜8月) 51.0%
桐生(夏季) ボートレースメモリアル(8月) 48.1%

年末の大村と真夏の桐生では、1コースの価値が17.7ポイントも違います。同じ競技、同じSGというグレードでも、水面と季節が変われば「1号艇を買う」という行為の意味がここまで変わる、ということです。グランプリの感覚のままメモリアルの舟券を買うのは、いちばんやってはいけない買い方だと言えます。

近年の優勝者

近年のボートレースメモリアル優勝者と開催場
2025年 白井英治(若松)
2024年 馬場貴也(丸亀)
2023年 馬場貴也(福岡)
2022年 片岡雅裕(浜名湖)
2021年 原田幸哉(蒲郡)
2020年 寺田千恵(下関)
2019年 毒島誠(大村)

2023年と2024年は馬場貴也が連覇しています。また2020年の寺田千恵は女子選手によるSG制覇で、競艇の歴史のなかでも特筆される一戦でした。

まとめ

ボートレースメモリアル(モーターボート記念競走)は1955年に始まった、競艇の発祥を記念するSGです。出場資格は全国24場がそれぞれ2名ずつを推薦するという、他のどのSGとも違う仕組みで決まります。賞金・勝率・着順点・ファン投票がいずれも全国を1本のランキングに並べるのに対し、メモリアルだけが水面ごとに枠を切っている——だから出走メンバーが全国の縮図になりやすい大会です。2026年の第72回は8月25日から30日、ボートレース桐生のナイター開催です。

予想の前提として押さえるべき数字は3つ。桐生の1コース1着率は夏季で48.1%、1コースの決まり手は97.3%が逃げ、1枠が1コースに入る確率は96.9%。枠番はそのままコースになるのに、その1コースが半分以上のレースで負けている水面です。3コース・4コースが2コースを上回っている点も含め、インから入る堅い買い方がもっとも通用しにくいSGだと考えて臨むのが実態に近いでしょう。

ほかのSGはボートレースグランプリ(年末)、ボートレースダービー(秋)、ボートレースオールスター(初夏)、オーシャンカップ(真夏)の解説をどうぞ。競艇全体の基本は競艇(ボートレース)ガイド、過去のビッグレースはSG・G1レース一覧から。

本記事はBOAT RACEオフィシャルウェブサイトが公表する第72回ボートレースメモリアル出場選手発表(2026年6月1日)、令和9年度のSG開催地決定公告(2026年7月9日)、およびボートレース場データ(桐生)にもとづきます(確認日:2026年7月30日)。日程・出場条件・賞金は主催者の発表により変更される場合があるため、最終的な情報は必ず公式発表でご確認ください。公営競技の投票券の購入方法や可否は国・地域によって異なります。ご利用の前に、お住まいの国・地域の法律を必ずご確認ください。当サイトは世界中の日本語話者に向けて情報を発信しており、日本国内の方を対象としていません。20歳未満(お住まいの地域の法定年齢未満)の方は投票券を購入できません。

よくある質問

2026年のボートレースメモリアルはいつ、どこで開催されますか?

第72回ボートレースメモリアルは2026年8月25日から30日までの6日間、ボートレース桐生(群馬県みどり市)でナイター開催されます。翌2027年の第73回は8月24日から29日、ボートレース若松でのナイター開催です。メモリアルも開催場は毎年持ち回りで変わります。

ボートレースメモリアルの出場資格はどうなっていますか?

他のSGと仕組みが違い、原則として全国24のボートレース場がそれぞれ2名ずつを推薦します。加えて優先出場枠があり、第72回では前年優勝者、第40回グランプリの優勝戦出場6名、第31回オーシャンカップ優勝者、開催場である桐生の推薦選手の4種類でした。推薦枠以外の選手はA1級であること、かつ前年6月1日から当年5月31日までに160走以上を走っていることが条件です。第72回は48名(+補欠10名)が出場します。

他のSGと選考基準はどう違いますか?

賞金(グランプリ)・着順点(オーシャンカップ)・勝率(ダービー)・ファン投票(オールスター)は、いずれも全国を1本のランキングに並べる方式です。メモリアルだけが24の水面ごとに枠を切っているため、全国ランキングでは少し足りない選手でもその場で評価されていれば出場し、逆に全国上位の選手が推薦の巡り合わせで漏れることもあります。出走メンバーが全国の縮図になりやすい大会です。

正式名称は何ですか?いつから「メモリアル」と呼ばれていますか?

正式名称は「モーターボート記念競走」です。第1回は1955年に大村で、競艇という競技の発祥を記念して開催されました。「ボートレースメモリアル」という呼称は第60回にあたる2014年から使われています。クラシック・オールスター・メモリアル・ダービー・グランプリの5大会からなるGRANDE5(グランデファイブ)の一角でもあります。

桐生はインコースが強い水面ですか?

逆です。BOAT RACE公式のボートレース場データでは、桐生の1コース1着率は直近3か月(2026年4〜6月)で51.9%、メモリアルが行われる夏季では48.1%しかありません。1コースに入った艇が半分以上のレースで負けている計算になります。さらに3コース13.0%・4コース12.3%が2コース11.8%を上回っており、インが飛んだときに差す2コースよりも、まくりに行ける3〜4コースのほうが勝っています。

桐生の水面にはどんな特徴がありますか?

標高128メートルと全国24場でもっとも高いところにある競走水面で、阿左美沼の一角を使った淡水のプールです。干満差はありません。標高が高い=気圧が低いためモーターの回転が上がりにくいと言われ、冬から春にかけては「赤城おろし」と呼ばれる強い追い風が吹きます。1997年9月に全国で初めてナイターレースを始めた場でもあります。

桐生では枠番どおりのコースに入りますか?

入ります。公式の枠番別コース取得率では、桐生で1枠が1コースを取る確率は96.9%、2枠が2コースを取る確率は87.6%です。前づけで大きく入れ替わる水面ではありません。ただし枠番はそのままコースになるのに、その1コース自体の勝率が低いという点が桐生の特徴です。