【結果】キングジョージ6世&クイーンエリザベスS 2026|カルパナ優勝、日本馬2頭は7着・9着
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キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)は、イギリス・アスコット競馬場で毎年7月に行われる芝の中距離チャンピオン決定戦です。2026年は7月25日(土)に行われ、5歳牝馬カルパナ(Kalpana)が優勝しました。1番人気で前年の覇者カランダガンは2着に敗れています。
そしてこの年は日本調教馬2頭が出走しました。マスカレードボールが7着、ヴェルテンベルクが9着(最下位)。結果だけ見れば完敗ですが、レースの中身を見ると負け方に共通点があり、それはこのコースの形とそのまま結びついています。このページでは結果を整理したうえで、そこまで踏み込みます。
2026年キングジョージの結果
9頭立て、馬場はグッド・トゥ・ファーム(良〜やや堅め)、勝ちタイムは2分27秒72でした。
| 着順 | 馬名(馬齢・斤量/単勝) | 騎手/調教師 |
|---|---|---|
| 1 | カルパナ(牝5・9st6lb/13/2) | C・キーン/A・バルディング |
| 2 | カランダガン(牡5・9st9lb/6/5(1番人気)) | M・バルザローナ/F-H・グラファール |
| 3 | ベンヴェヌート・チェッリーニ(牡3・8st12lb/4/1) | R・ムーア/A・オブライエン |
| 4 | ランボーン(牡4・9st9lb/50/1) | W・ビュイック/A・オブライエン |
| 5 | ゴライアス(牡6・9st9lb/12/1) | C・スミヨン/F-H・グラファール |
| 6 | アクション(牡3・8st12lb/125/1) | S・レヴィ/A・オブライエン |
| 7 | マスカレードボール(牡4・9st9lb/13/2) | C・ルメール/手塚貴久 |
| 8 | ミニー・ホーク(牝4・9st6lb/17/2) | W・ローダン/A・オブライエン |
| 9 | ヴェルテンベルク(牡6・9st9lb/40/1) | O・マーフィー/宮本博 |
着差は1着から順に、1馬身1/2、1/2馬身、2馬身1/2、6馬身1/2、2馬身3/4、1/2馬身、3馬身1/2、そして最後は大差でした。上位3頭が2馬身の中に収まっている一方で、4着以下は一気に離れています。
人気順はカランダガン(6/5)→ベンヴェヌート・チェッリーニ(4/1)→カルパナとマスカレードボールが13/2で並ぶという並びでした。つまり勝ったカルパナと、7着に敗れたマスカレードボールは、まったく同じオッズで発走していることになります。ここは後で戻ってきます。
前で運んだ馬が、3頭とも止まりました

このレースでいちばんはっきり出たのは脚質の傾向です。英国の公式レースコメント(各馬の道中の位置取りの記録)を着順と突き合わせると、きれいに分かれます。
| 道中の位置 | 該当馬 | 着順 |
|---|---|---|
| 逃げ | アクション | 6着 |
| 2番手(先頭を見る形) | ミニー・ホーク | 8着 |
| 好位 | ランボーン | 4着 |
| 中団 | カルパナ | 1着 |
| 後方 | カランダガン | 2着 |
| 中団より後ろ | ベンヴェヌート・チェッリーニ | 3着 |
前めで運んだ3頭は6着・8着・4着で、掲示板の上3つはいずれも中団より後ろから来た馬でした。しかも先頭は残り3ハロンから1ハロンのあいだに3回入れ替わっています。アクションが残り3ハロンで交わされ、代わって前に出たミニー・ホークが残り2ハロンで交わされ、そこで先頭に立ったランボーンもすぐに失速する、という流れです。
つまり誰も最後まで前で我慢できなかったということで、これはアスコットの直線が理由です。アスコットの最後の直線はゴールに向かって上り坂になっており、道中で脚を使った馬は坂で必ず答えを出さされます。
賭ける側への落とし込みは2つあります。ひとつは「逃げ・先行が有利そうだから」という理由でこのレースの単勝を買うのは根拠が弱いということ。もうひとつは着順レンジのマーケット(3着以内・各way)のほうが差し馬の評価に向くということです。実際、上位3頭が2馬身の中に収まった一方で4着とは2馬身1/2離れており、「勝つ馬を1頭に絞る」より「3着以内に来る差し馬を拾う」ほうが素直な決着でした。
ただしこれは9頭立ての1レースです。少頭数で前が飛ばせば当然こうなりやすく、ここから「アスコットは常に差し有利」という法則を引くのは行き過ぎです。言えるのは、上り坂の直線がある以上、道中で脚を使う形は割引いて見るべきという程度までです。
日本調教馬2頭が挑み、7着と9着でした

2026年は手塚貴久厩舎のマスカレードボール(牡4)と、宮本博厩舎のヴェルテンベルク(牡6)の2頭が日本から遠征しました。鞍上はそれぞれクリストフ・ルメールとオイシン・マーフィーです。
結果はマスカレードボールが7着、ヴェルテンベルクが9着。ヴェルテンベルクは残り4ハロン付近で失速し、大きく離された最下位でした。
ここで最初の表に戻ります。マスカレードボールの単勝は13/2で、勝ったカルパナとまったく同じでした。9頭立ての3番人気タイです。そのうえで公式のレースコメントは、この馬について道中で行きたがってしまい、残り3ハロンの時点ですでに離されていたと記録しています。ルメール騎手もアスコットは「大変なコース」だと振り返り、坂まで一生懸命走ったが最後にギアを上げられなかったという趣旨のコメントを残しています。
この2つを並べると、賭ける側にとっての教訓ははっきりします。知名度のある遠征馬は、現地のコース適性が確かめられていない段階でも人気を集めます。マスカレードボールは日本での実績が評価されて勝ち馬と同じオッズになりましたが、上り坂の直線を含むアスコットの2,400mを走ったことはありませんでした。実績と、そのコースで走れる確証は別物です。
これは日本馬に限った話ではなく、遠征馬全般に言えることです。逆に言えば、遠征馬が過剰人気になっている分だけ、地元で実績のある差し馬のオッズは甘くなります。今回で言えば、その甘くなった側にいたのがアスコットのG1を勝った経験のあるカルパナでした。
なお、この結果をもって「日本馬は欧州で通用しない」と一般化するつもりはありません。これは2頭・1レースの話であり、そこから導ける結論ではありません。言えるのはこの2頭がこの日のアスコットでは力を出せなかったということだけです。
勝ちタイムは13年で10秒以上ばらつきます
過去の勝ち馬と勝ちタイムを並べると、このレースのもうひとつの性格が出ます。
| 年 | 優勝馬(馬齢・調教師) | 勝ちタイム |
|---|---|---|
| 2026 | カルパナ(5・A・バルディング) | 2:27.72 |
| 2025 | カランダガン(4・F-H・グラファール) | 2:29.74 |
| 2024 | ゴライアス(4・F-H・グラファール) | 2:27.43 |
| 2023 | フクム(6・O・バロウズ) | 2:33.95 |
| 2022 | パイルドライバー(5・W・ミュア&C・グラシック) | 2:29.49 |
| 2021 | アダイヤー(3・C・アップルビー) | 2:26.54 |
| 2020 | エネイブル(6・J・ゴスデン) | 2:28.92 |
| 2019 | エネイブル(5・J・ゴスデン) | 2:32.42 |
| 2018 | ポエッツ・ワード(5・M・スタウト) | 2:25.84 |
| 2017 | エネイブル(3・J・ゴスデン) | 2:36.22 |
| 2016 | ハイランドリール(4・A・オブライエン) | 2:28.97 |
| 2015 | ポストポンド(4・L・クマーニ) | 2:31.25 |
| 2014 | タグルーダ(3・J・ゴスデン) | 2:28.13 |
いちばん速い2018年の2分25秒84と、いちばん遅い2017年の2分36秒22の差は10秒38あります。芝の1馬身をおよそ0.2秒とする一般的な換算を当てると、これは50馬身以上にあたります。同じ競馬場の同じ距離で、これだけ動きます。
理由は馬場です。イギリスの夏の芝は雨の有無で状態が大きく変わり、乾いた年と雨を含んだ年ではまったく別のレースになります。2017年にエネイブルが勝った年はこの13年でもっとも遅く、2026年の2分27秒72は13年間で4番目に速いタイムでした。
だからこのレースで「過去のタイム」や「前走の着差」をそのまま持ち込むのは危険です。見るべきは当日の馬場発表で、そこが決まらないと有力馬の並びも決まりません。オッズが直前に大きく動くのも同じ理由です。オッズそのものの読み方はオッズの見方・計算ガイドにまとめています。
もうひとつ表から読めるのはフランス調教馬の存在感です。2024年ゴライアス、2025年カランダガンと、F-H・グラファール厩舎が2年続けて勝っています。2026年もこの厩舎は2頭を送り込み、2着と5着でした。
レースの基礎情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 格付け | G1(芝) |
| 開催地 | アスコット競馬場(イングランド・バークシャー州) |
| 距離 | 1マイル3ハロン211ヤード(約2,406m/日本の各媒体では芝2,390m表記) |
| コース | 右回り・芝、直線は上り坂 |
| 出走資格 | 3歳以上 |
| 斤量 | 3歳 8st12lb/4歳以上 9st9lb(牝馬は3lb減、南半球産4歳は4lb減) |
| 創設 | 1951年 |
| 賞金総額 | 200万ポンド(2026年)/1着 1,134,200ポンド |
斤量の決まりは予想に直結するので、もう少し説明します。3歳馬は4歳以上より11lb(約5kg)軽く、牝馬はさらに3lb軽い設定です。2026年で言えば、勝ったカルパナは牝馬なので9st6lbを背負い、2着カランダガンの9st9lbより3lb軽い斤量でした。3着に入ったベンヴェヌート・チェッリーニは3歳で8st12lb、つまり2着馬より11lb軽い計算になります。
上位3頭のうち2頭が斤量を軽く貰う側だったのは、この条件を考えるうえで押さえておく価値があります。3歳馬にとってこのレースは、世代限定戦から古馬に挑む最初の大舞台のひとつで、そのぶんの補正が入っているということです。
どこで賭けるか
キングジョージのようなヨーロッパのG1は、日本語対応のブックメーカーであれば単勝・複勝にあたるマーケットは概ね揃います。差が出るのは「3着以内(プレイス/各way)」の条件と、出走取消時の扱いです。このページの結論を使うなら、着順レンジのマーケットが何着払いなのかを先に確認してください。
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このレースを使った馬の多くは、秋の凱旋門賞(10月・パリロンシャン、芝2,400m)へ向かいます。同じ距離帯のヨーロッパ最高峰が夏と秋に1つずつあり、夏の結果が秋のオッズの出発点になります。マイル路線では8月のジャックルマロワ賞が同じ時期の目安です。短距離路線では7月11日のジュライカップ(ニューマーケット・芝6ハロン)が同じ位置づけで、こちらも日本調教馬サトノレーヴが1番人気で3着に敗れています。
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まとめ
2026年キングジョージの要点は4つです。
- 優勝はカルパナ(牝5)。1番人気で前年覇者のカランダガンは1馬身1/2差の2着でした。
- 前で運んだ3頭は6着・8着・4着。掲示板の上3つはいずれも中団より後ろからで、先頭は残り3〜2ハロンで3回入れ替わりました。上り坂の直線があるコースで、道中に脚を使う形は割引いて見るべきです。
- 日本調教馬2頭は7着と9着。マスカレードボールは勝ち馬と同じ13/2の人気を集めましたが、道中で行きたがり坂で伸びを欠きました。実績と、そのコースで走れる確証は別物です。
- 勝ちタイムは13年で10秒38の幅があります。過去のタイムを持ち込むより、当日の馬場を確認するほうが確実です。
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よくある質問
2026年のキングジョージはどの馬が勝ちましたか?
2026年7月25日(土)にイギリス・アスコット競馬場で行われ、アンドリュー・バルディング厩舎の5歳牝馬カルパナ(Kalpana、鞍上コリン・キーン)が単勝13/2で優勝しました。2着は1番人気で前年の覇者カランダガン(6/5)で1馬身1/2差、3着は3歳のベンヴェヌート・チェッリーニ(4/1)でさらに1/2馬身差です。9頭立て、馬場はグッド・トゥ・ファーム、勝ちタイムは2分27秒72でした。
日本馬は出走しましたか?結果は?
2頭が出走し、いずれも敗れました。手塚貴久厩舎のマスカレードボール(牡4、鞍上クリストフ・ルメール)が7着、宮本博厩舎のヴェルテンベルク(牡6、鞍上オイシン・マーフィー)が9着(最下位)です。マスカレードボールは単勝13/2で、勝ったカルパナとまったく同じオッズの3番人気タイでしたが、公式のレースコメントでは道中で行きたがってしまい、残り3ハロンの時点で既に離されていたと記録されています。ヴェルテンベルクは残り4ハロン付近で失速しました。
2026年のレースはどんな流れでしたか?
前で運んだ馬が総崩れになりました。逃げたアクションが6着、2番手のミニー・ホークが8着、好位のランボーンが4着で、掲示板に載った上位3頭はいずれも中団より後ろから差してきた馬です。先頭は残り3ハロンから1ハロンのあいだに3回入れ替わっており、誰も最後まで前で我慢できませんでした。アスコットの直線がゴールに向かって上り坂になっているためで、道中で脚を使った形は坂で必ず答えを出さされます。ただしこれは9頭立ての1レースなので、ここから「常に差し有利」と一般化はできません。
キングジョージはどんなレースですか?
イギリス・アスコット競馬場で毎年7月に行われる芝の中距離チャンピオン決定戦(G1)です。創設は1951年、距離は1マイル3ハロン211ヤード(約2,406m、日本の各媒体では芝2,390m表記)、右回りで直線は上り坂。出走資格は3歳以上で、3歳世代が古馬に挑む夏の大一番として位置づけられています。2026年の賞金総額は200万ポンド、1着賞金は1,134,200ポンドでした。
斤量はどう決まっていますか?
3歳が8ストーン12ポンド、4歳以上が9ストーン9ポンドで、3歳馬は古馬より11ポンド(約5kg)軽い設定です。さらに牝馬は3ポンド減、南半球産の4歳馬は4ポンド減の恩恵があります。2026年で言えば、勝ったカルパナは牝馬なので9ストーン6ポンドで、2着カランダガンの9ストーン9ポンドより3ポンド軽い斤量でした。3着ベンヴェヌート・チェッリーニは3歳なので8ストーン12ポンド、2着馬より11ポンド軽い計算です。上位3頭のうち2頭が斤量を軽く貰う側でした。
近年の優勝馬は?
2026年カルパナ、2025年カランダガン、2024年ゴライアス、2023年フクム、2022年パイルドライバー、2021年アダイヤー、2020年・2019年・2017年がエネイブル(3勝)、2018年ポエッツ・ワード、2016年ハイランドリール、2015年ポストポンド、2014年タグルーダです。近年はフランスのF-H・グラファール厩舎が2024年ゴライアス、2025年カランダガンと連覇しており、2026年も同厩舎から2頭が出走して2着と5着に入りました。
予想するときに何を見ればよいですか?
まず当日の馬場です。この13年の勝ちタイムは最速が2018年の2分25秒84、最遅が2017年の2分36秒22で、その差は10秒38あります。芝の1馬身をおよそ0.2秒とする一般的な換算なら50馬身以上にあたり、同じ競馬場の同じ距離とは思えない幅です。イギリスの夏の芝は雨の有無で状態が大きく変わるため、過去のタイムや前走の着差をそのまま持ち込むより、当日の馬場発表を確認するほうが確実です。オッズが直前に大きく動くのも同じ理由です。